ヲタク14年生。

インドカレーとライブ、ときどきイメコン。

『あれよあれよの大騒動』③

 

そもそも、なぜわたしがここまでため息をついているのか。

 

職場の三角関係はわたしにとって

そこまで悩みの種ではない。

 

一番の悩みの種は「大森裕貴の謎の行動」だ。

 

大森のことは、出会ったときから気になっていた。

ただ、最初は全く好意を抱いていなかった。

むしろ「何だこいつ」と思っていたほどだ。

 

なんとか嫌いにならないように努力をしていたが

出会ってから2週間ほどで

「この人、意外といいやつじゃん」ということに気づいた。

 

その後何度か会ってはいたものの

未だ特別な感情は抱いていなかった。

 

状況が一変したのは

2月のある日のことだった。

 

その頃「大森が気になる存在」ということを

やっと自覚したため

大森にバレンタインのクッキーを渡すことにした。

 

なんとか大森を呼び出して渡そうとするも…

 

「今日誕生日だったんですね?! 知らなくてごめんなさい! よかったらもらってください!」

 

彼氏以外の男からまともな誕生日プレゼントなんてもらったことがないから

わたしはただ戸惑うばかりだった。

 

それだけではない。

 

その日の夜、友達に大森の件を話した。

しかし、返ってきた言葉は

「それって、大森さんが好きってことじゃない?」…?

 

予想もしてない答えだった。

その日を境に、わたしは大森のことを意識してしまう。

 

2人で会うときだって楽しいけど

帰り道は絶望してしまう。

 

そんな関係が続いたある日のこと

ため息の原因となる、ある事件が起きる。

 

それは大森との共通の知り合いと

遠出をした日だった。

 

その日の夜…

 

共通の知り合いが煙草を吸いに行ったため

大森と2人きりになってしまった。

 

沈黙を避けるために話しかけようとすると

酔っ払いの男に絡まれてしまう。

 

すると、大森がわたしの前にきて

男を撒いてくれる。

「君はもう帰って!」と。

 

それだけではない。

 

家に着くと、大森から電話がくる。

「さっきは大丈夫でしたか? 僕たちは大丈夫でした。」

 

そんなことされたら、更に意識してしまう。

何を考えているのか、全くわからない。

 

わたしの裏の人格が、こう呟く。

「好きでもないのなら、もう優しくしないで」と。