ヲタク14年生。

インドカレーとライブ、ときどきイメコン。

『あれよあれよの大騒動』②

 

竹井がため息をつくと、その後わたしもため息をつく。

 

職場に入ると、既に竹井がいた。

「元気ー? 昨日いろいろあったみたいだけど…」

「わたしもうだめです」と笑いながら言う。

「お互い今日はぽんこつだね」

 

 

バレンタインから1週間が経ったある日のこと

小林から「泉と竹井との4人でご飯食べたい!」と連絡がきた。

 

その日の夜は大森と会う予定だった。

しかし急遽大森に仕事が入ったため、小林の誘いに乗ることにした。

 

わたしは竹井の隣に座り、竹井の前には小林、小林の隣には泉が座った。

わたしには、小林と泉が竹井の隣を避けているように映った。

今思えば、みんなに対する配慮だったのかもしれない。

「小林もまた、竹井のことが好き」

そんな事実を知っていたから。

 

結局その日は、朝まで小林の家で過ごした。

その日を境に、竹井とはお互い下の名前で呼ぶことになった。

彼氏以外に下の名前で呼ばれたことなんてないのに。

 

3人がいれば、どんなに仕事が辛くても

恋が辛くても

怖いものはないと思ってた…けど

 

 

「いつから分かってたの?」

「先月から分かってた。2人とも隠すの下手だよ。」

「別に隠すつもりはなかった。」

 

小林が包み隠さず「竹井が好き」と言うから

知ってたよ。

 

「間をとって、わたしと付き合いません?」

友人の助言をもとに、竹井にこう投げかけた。

 

みんながため息をついているものだから

わたしがみんなを元気にしないといけない。

 

でも、元気になれない。